福岡の所得税・住民税・事業税・国民健康保険料等の計算方法 【フリーランス(個人事業主)向け@2019年】

2018/10/23

今年の3月からフリーランスで活動しています。
 いよいよ今年もあとわずか、とうことは確定申告のための準備もしておかなければいけません。
一応経費に関しては、毎月末に計算し会計ソフト(私は「マネーフォワード クラウド 確定申告 (旧名:MFクラウド 確定申告)」を使ってます)へと入力していますが、来年支払うべき税金がどのくらいになるのかがよくわかりません。
 所得税は全国共通ですが住民税や国民健康保険額に関しては、都道府県や市町村ごとに微妙に変わるため、ある程度自分で計算しないと事前に把握できないです。 フリーランスではサラリーマンの時のように給与から天引きとはいかないので、あらかじめ支払額分を確保し間違ってもマイナスにならないように気を付けないと! ということで、どのくらいの金額になるのか調べてみたけど結構ややこしいところもあるので自分なりにまとめてみました。
※ あくまでも個人で調査した結果ですのでご了承ください。

「計算方法はいいんだよ!どのくらいになるか結果を知りたいだけなんだよ!」という方は、計算シミュレーションを作成しましたのでぜひ使ってみてください。

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所得税

所得税 = (収入 – 経費 – 所得控除額) × 税率 – 税率に対する控除額 – 税額控除額

※ 復興特別所得税額含める場合

復興特別所得税額 = 所得税 × 2.1%
所得税 = 所得税 + 復興特別所得税額

所得税の税率

所得金額 税率 税率に対する控除額
所得金額 ≦ 195万円 5% 0円
195万円 < 所得金額 ≦ 330万 10% 97,500円
330万円 < 所得金額 ≦ 695万円 20% 42,7500円
695万円 < 所得金額 ≦ 900万円 23% 63,6000円
900万円 < 所得金額 ≦1800万円 33% 1,536,000円
1800万円 < 所得金額 ≦ 4000万円 40% 2,796,000円
4000万円 < 所得金額 45% 4,796,000円

住民税(県民税、市町村税)

住民税には2種あり均等割りと所得割の合計が住民税となります。

住民税 = 均等割 + 所得割

均等割(福岡)

  • 市民税/市町村民税 … 3,500円
  • 県民税/都道府県民税 … 2,000円

所得割

所得割 = 課税所得金額 ※1 × (都道府県民税2% + 市区町村税8%) – 税額控除額
※1 課税所得金額 = 収入 – 経費 – (基礎控除33万 – 所得控除)

その他控除には青色申告特別控除も含めることが「できます」。

2019/2/3 都道府県民税と市区町村税は平成30年から変更されており、都道府県民税4%→2%、市区町村税6%→8%となっていました。申し訳ございませんでした。

個人事業税

業種により3~5%の違いがありますがほとんどの業種が5%。

個人事業税 = 課税所得金額 ※2 – 290万円 * 税率(5%)
※2 課税所得金額 = 収入 – 経費 – 所得控除

所得控除には青色控除65万は含めることは「できません」。

消費税

消費税ですが、必ずしも発生するものではありません。 以下条件を満たす場合のみ消費税が発生します。

  1. 開業から2年経過
  2. 売上高が1000万以上

※ 1年目から売上が1000万を超える場合は条件により支払い義務が発生します。 つまり、売上が1000万に行かない場合は消費税を納めなくていいわけですね。

国民健康保険料

計算が超ややこしいです。そして結構な金額です。サラリーマン時代の3倍くらい? なんか、個人事業主に厳しい時代だと感じます。。。 保険料を算出するには、以下3種をそれぞれ求めその合計が保険料となります(上限あり) それぞれの説明はここではしません。福岡市のHPとかで詳細は確認してください。

  1. 医療分
  2. 支援分
  3. 介護分
(2019年) 算定基準 1. 医療分 2. 支援分 3. 介護分
所得割 算定基礎となる所得 × 7.89% × 2.80% × 2.71%
均等割 1人につき 21,738円 7,510円 8,840円
世帯割 1世帯につき 21,891円 7,562円 6,822円
賦課限度額 1世帯につき 61万円 19万円 16万円
(2018年) 算定基準 1. 医療分 2. 支援分 3. 介護分
所得割 算定基礎となる所得 × 7.8% × 2.97% × 2.78%
均等割 1人につき 21,353円 7,870円 8,878円
世帯割 1世帯につき 21,710円 8,002円 6,878円
賦課限度額 1世帯につき 58万円 19万円 16万円

年齢により、上記の料金が対象となるかが変わり、

年齢 計算式
年齢 ≦ 39 1. 医療分 + 2. 支援分
40 ≦ 年齢 ≦ 64 1. 医療分 + 2. 支援分 + 3. 介護分
65 ≦ 年齢 ≦ 74 1. 医療分 + 2. 支援分

※ 基本月割りみたいで、年度途中で上記条件が変わる場合、支払いが増える場合はその月から保険料が計算対象となり、支払いが減る場合は、その月の前月までの金額となるようです。
保険料の計算は国民健康保険加入者全員分を世帯ごとに計算します。 なので、自分と妻(夫)が国保であれば所得はそれぞれを足した金額で計算する必要があるようです。 なお算定基礎となる所得(税率にかける金額)は、以下の計算式となります。

算定基礎となる所得 = 収入 – 経費 –  33万円(基礎控除) – 65万円(青色申告特別控除)


そう、所得税等の各種控除は計算対象外なので、必然的に金額は大きくなります!
ざっくりとですが、だいたい算定基礎となる所得の15%位が国民健康保険料となります!

2018/11/23 失礼しました、青色申告特別控除は差し引けるみたいです!

国民年金

1か月16,340円。 単純ですね。

国民年金(年間)196,080 = 16,340 × 12か月

控除の種類と適用範囲

各税金計算で控除できる金額の種類と適用範囲です。 所得税・住民税・個人事業税の控除として計算できるかをチェックしました。

  • 所得控除・・・ 各税率をかける際の元となる所得から控除することができる
  • 税額控除・・・ 各種税を計算した結果から控除することができる

※ふるさと納税は所得控除と税額控除のどちらか択一選択になりますが、ほぼ確実に税額控除の方が税金が安くなります。 税額控除を選択すると、支払うべき税額から直接差し引くので、実質「2,000円」ということになるわけですね。

2019/2/3修正

ごめんなさい。実際に確定申告の準備やふるさと納税の計算を所得税・住民税・事業税・国民健康保険料計算シミュレーションにふるさと納税の限度額計算機能を追加した際に誤りと分かりました。正しくは、

  • 所得税からの控除分
  • 住民税からの控除分

の2種あり、所得税からの控除分は所得控除の「寄付金控除」となり、住民税からの控除分は特例分の控除枠として住民税から控除される仕組みになっています。詳しくは【フリーランス】ふるさと納税の上限額はいくら? (個人事業主)にまとめてます。

所得控除

控除の種類 所得税 住民税 個人事業税 備考
雑損控除
医療費控除
社会保険料控除
小規模企業共済等掛金控除
生命保険料控除
地震保険料控除
寄付金控除 ※税額控除の寄付金とはどちらか択一
寡婦・寡夫控除
勤労学生控除
障害者控除
配偶者控除
配偶者特別控除
扶養控除
基礎控除 38万 (住民税計算時は33万円)
事業主控除 290万
扶養控除
専従者控除
損失の繰越控除 青色申告者のみ
被災事業用資産の損失の 繰越控除
事業用資産の譲渡損失の控除
事業用資産の譲渡損失の 繰り越し控除 青色申告者のみ

税額控除

控除の種類 所得税 住民税 個人事業税 備考
配当控除
外国税額控除
政党等寄附金特別控除 ふるさと納税はこちらか所得控除の寄付金控除のどちらかを選択。 両方の控除を受けることはできません。
2019/2/3修正。 ふるさと納税に関しては【フリーランス】ふるさと納税の上限額はいくら? (個人事業主)をご参照ください。
認定NPO法人等寄付金特別控除
公益社団法人等寄附金特別控除
(特定増改築等)住宅借入金等特別控除
住宅耐震改修特別控除
住宅特定改修特別税額控除
認定住宅新築等特別税額控除
雑損控除 2019/2/3 税額控除に雑損控除はありません。

2019/2/3 追記。控除の種類や条件がよくわからない!という方のために、質問に「はい」「いいえ」で答えていくだけで、どの控除が適用できるかを判定するサービスを作りました。良かったら使ってみてください。

まとめ

フリーランス活動で必ず発生する税金等は以下6種。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税
  • 国民健康保険料
  • 国民年金

消費税は、売上高1000万以下の方は無視してよい。 所得税・住民税・個人事業税に関しては、各種控除できるものは極力利用する。 国民健康保険料を安くするには経費を増やすしかないですが、経費を増やしすぎると現金が少なくなるのでほどほどに。 以上です。

変更履歴

2019/10/19 2019年度の国民健康保険税率を追加しました。

2019/2/03 福岡市の住民税の所得割の税率に誤りがありました。平成30年から変更となっており都道府県民税4%→2%、市区町村税6%→8%が正しいので修正しました。

2019/2/03 ふるさと納税の控除に関して、誤った考えでしたので修正いたしました。また、税額控除に雑損控除はないため、修正しました。

2018/12/07 青色申告特別控除の金額が本来65万円のところ68万円と記載しておりましたので修正いたしました。

2018/11/23 国民健康保険料の所得割計算時は、青色申告特別控除が差し引けることを追記しました。